ここでは「ロスカットとはそもそもどういう仕組みなのか?」を解説します。
また、その後XMの証拠金維持率の計算例、強制ロスカットを回避するコツなどを解説しています。
目次
ロスカットとは?
ロスカットの概要をわかりやすく
FXでの取引において為替差損が生じても、まだ決済をしていない場合は損失は確定されません。しかし、まだ確定していない含み損だからと、そのまま放置しておけば被害が拡大することがあります。なぜなら、FXは基本的にレバレッジを用いて取引を行うためです。レバレッジを使うのは両刃の剣で、為替変動によって利益だけではなく損失もブーストアップされます。この結果、損失が膨らんで差し入れた証拠金の額を超えてしまい、元本割れとなる可能性もなくはありません。
証拠金を失うだけでも辛いですが、元本割れを起こすのは痛手ですよね。このため取引会社では、投資家の資産を保護する目的で、ロスカットを行います。ロスカットは含み損が一定のレベルに達した時点で、全てのポジションを決済する仕組みです。含み損が差し入れた証拠金を超える前に余裕をもって損失を確定し、被害の拡大を防ぎます。ロスカットはFXの取引会社が独自の基準で判断を行い、実施する時は強制的です。投資家の意志とは関係なく取引終了になるので、不意打ちで損失を計上するの防ぐために、発動条件は把握しておきましょう。
発動条件と証拠金維持率の計算
XMは『証拠金維持率』が20%になったらロスカットを発動します。
国内のFX業者は、多くが100~50%なので、よりポジションを保持していられることになります。
証拠金維持率は『純資産÷必要証拠金 ×100』で計算可能です。純資産は口座に差し入れた金額を基本に、含み益・含み損があれば、それも加えて考えます。
必要証拠金はポジションを維持するための費用です。
ここからは、具体例で考えてみましょう。
例えばレバレッジは10倍で、差し入れた証拠金を10万円とします。
為替レートが1ドルあたり100円の状況で、1万ドルを調達して運用をはじめました。
この例では、レバレッジ10倍で1万ドルを用意したので、必要証拠金は10万円です。純資産が10万円ですから、先の計算式に当てはめると、証拠金維持率は100%だとわかります。ここで、為替差損により3万円の含み損が生じたとしましょう。純資産が7万円に減り、必要証拠金が10万円なので、証拠金維持率は70%です。ロスカットが証拠金維持率20%の時点で発動するなら、あと5万円の含み損を出したら取引は自動で終了します。もしも20%ちょうどで発動すれば、証拠金のうち8万円を失います。元本割れは起こりません。
しかしロスカットが間に合わないような、相場が急変動することもあります。この時に、元本割れのリスクもあります。
ですが、XMではゼロカットといって「元本割れ」が起こった時に、その元本割れをゼロにする制度があります。
詳しくは下記のゼロカット記事をご覧ください。
XMでは必要証拠金を簡単に計算できる
XMには必要証拠金を計算できるシミュレーターが用意されています。
このシミュレーターには幾つかの入力項目が用意されており、取引ロット数やレバレッジ倍率などをインプットすれば、自動で必要証拠金を計算してくれる優れものです。
下画像の青い四角部分を設定すれば、必要証拠金が分かります。
会員登録などは特に不要で、誰でも今すぐに利用できます。通貨ペアが豊富な他、必要証拠金を海外通貨に換算する機能も便利です。なお、XMで算出した必要証拠金をもとに、証拠金維持率を計算できます。証拠金維持率の方も無料の計算シミュレーターがあるので、利用してみましょう。
また、他にもいくつかのシミュレーターが用意されているのはXMの便利な点です。スワップや損益の計算もできるので、活用していきましょう。
強制ロスカットを回避するにはどうする?
強制ロスカットは投資家の資産を守ってくれる点では便利です。
しかし、損をすることに変わりはないので、発動されるのを黙って見ている必要はありません。予め用意しておく予防策だけではなく、証拠金維持率が低下した場合にも打てる手立てがあります。投資資産を自分で守るためにも、ロスカットの回避方法はチェックしておきましょう。
- 証拠金維持率を高く保つ
- 早めの損切りをする(損切ラインをあらかじめ決めておく)
- 証拠金を追加する
証拠金維持率を高く保つ
まず、証拠金維持率を高い水準で保つようにすれば、ロスカットの危険性を抑制可能です。
例えば、必要証拠金の10倍の証拠金を用意すると、証拠金維持率は単純計算で1,000%に達しますから、多少の相場変動には耐えてくれます。
他に、ポジションを両建てにし、含み損を出さない方法もしばしば利用されます。
売り・買いの両方のポジションを持つと、利益と損失が相殺されるのです。
例えば売りポジションで100円の損失がでても、両建てにして、買いの側で同じ額の利益が生じたなら差し引きゼロにできます。
早めの損切りをする(損切ラインをあらかじめ決めておく)
ある程度の含み損が生じた場合、自分でロスカットの判断を行うのが損切です。
強制ロスカットより早い段階で、自ら取引を終了させてダメージをコントロールします。
損切ラインは予め決めておいて、状況をズルズルと悪化させないのもセオリーの一つ。
早めに判断を行えば損失は確定するものの、投資用資金が充分に残るため、巻き返しが充分に可能です。
なお、損切は逆指値注文を利用すると、簡単に行えます。
証拠金を追加する
含み損などで証拠金維持率が危険水準になった場合、充分な証拠金を追加するとロスカットを回避できます。
実際に発動される前に、思い切って証拠金を増やすわけです。
不慮の事態に備え、普段から自由に使える資産を用意しておくと良いでしょう。
なお、毎月一定額を入金し、コツコツと増やしていく方法もあります。