ここでは海外FX共通のプラットフォーム、MT4/MT5の性能や特徴などを比較していきます。
口座開設にあたりどちらが良いか迷っている人・MT4に慣れて、MT5に挑戦したい人など、解説したので見てみてください。
目次
MT4のメリット・良い部分
MT4とMT5は、いずれもロシアのMetaQuotesSoftware社が開発したFX取引用のソフトウェアです。
従来、FX取引用ソフトウェアは高価でしたが、MT4が無料で使えることから急速に普及しました。
MT5は、MT4の後継として開発されたソフトウェアです。
MT4のメリットは…
- 使用しているユーザーやFX取引業者が多いこと
- EAと呼ばれるFX自動売買システムの数が多いこと
- FX取引の傾向を把握するためのツールであるカスタムインジケータの種類が多いこと
…などが挙げられます。
使用者の多いこと
MT4は無料で使える上に高機能であったことなどから世界で最も広く使われているFX取引用ソフトウェアです。
FXは多くの場合、ソフトウェアで価格変動の傾向を把握して取引します。
そのため、取引業者と認識が近似していなければ意味がありません。
国内の業者も様々な取引ツールを提供していますが使い勝手が悪かったり、海外業者との比較の都度切り替える必要があったりと面倒です。
その点、MT4は海外の多くの業者が標準で装備しているので取引の環境をその都度変える必要がありません。
EAの数が多いこと
EAは自動売買システムのことで、自動売買するためにMT4などのFX取引用ソフトウェアに組み込んで使用します。
FXトレードは裁量トレードとシステムトレードの2種類があります。
- 裁量トレードは色々な分析に基づいて売買の判断を人が自分自身で行います。
- システムトレードはシステムに組み込んだ売買ロジックに基づいて決めておいた指標をクリアしたときに自動的に売買する方法です。
EAを使用することによってトレードのたびに人が判断する必要がないので取引における負担を軽減することができます。
EAの数が多ければシステムトレードの際の選択肢が広がりますが、MT4はMT5と比較してEAの数が多いことが特徴の一つです。
難しい売買の判断をシステムが実行してくれるので初心者には助かります。
カスタムインジケーターの種類が多いこと
裁量トレードの際に分析に使用するのがインジケーターと呼ばれるトレーディングの傾向を表す指標です。
MT4でもMT5でも基本的なインジケーターの数は30種類前後で大きな差はありません。
インジケーターは組み合わせたり、他の人が作成した物を入手したり、自分で作ったりすることができます。
このさまざまなインジケーターをソフトに追加したものがカスタムインジケーターです。
MT4にはMT5と比較して格段に多くのカスタムインジケーターがあります。
MT4とMT5はプログラミング言語に互換性がありません。
その結果MT4のカスタムインジケーターは後継のMT5用に変換することができないのです。
MT4の”デメリット”・悪いところ
MT4のデメリットは…
- MT5と比較して時間足の種類が少ないこと
- 開発したMetaQuotesSoftware社のサポートが終了していること
MT4はサポートが終了したとはいえ、未だに世界中で使われています。
EAやカスタムインジケータの多さ、対応する海外業者の多さを考えると捨てがたいソフトウェアです。
しかし、これからFXトレードツールの導入を考えるなら、将来的に痛いデメリットと言えるでしょう。
時間足の種類が少ない
時間足は、一定期間の最初から最後までの値動きを表すチャートです。
中央の管は期間の始まりの値である始値と終わりの値である終値を示しています。
細い線が示しているのは最高値と最安値です。
5分足なら、5分間の値動きについて始値と終値、最高値と最安値を示します。
管が白抜きのものが陽線と言って、始値より終値の方が高値のチャートです。
管が黒抜きのものが陰線で、始値の方が終値よりも高値になります。
MT4とMT5の時間足の種類数を比較するとMT5の21種類に対して、MT4は9種類しかありません。
FXトレードは長期的な見通しに基づいて行うことが大切です。
長い時間足から短い時間足を順番に見ていくことで長期的な見通しが立てやすくなります。
例えば買いのタイミングを考えてみましょう。
5分足で上昇傾向でも、期間の長い日足などが下降傾向であれば買いのタイミングには不向きです。
このように少ない種類の時間足では正しい判断はできません。
時間足の種類が多ければ、目的に合わせて使用する選択肢が広がります。
MT4のサポート終了
現段階では広く使われていることから問題ありません。
しかし、OSなどの切り替え時期には使えなくなる可能性もあります。
将来的にはMT5へ移行せざるを得ない時期が来るでしょう。
MT5に乗り換えるトレーダーも徐々に増えています。
MT5の”メリット”・良い部分
MT5はMT4の後継として新しく開発されただけあって、高いスペックのソフトウェアです。
システムトレードに使用するEAの数が少ないものの、裁量トレードに必要なツールは充実しています。
- メリットの一つ目の高いスペックを代表するのが動作スピードの速いことです。
- メリット二つ目の充実した裁量トレードに必要なツールには時間足の多さ、描画ツールの充実、気配値を把握するための板情報やナビゲーターウィンドウの使い易さがあります。
動作スピードが速い
短期売買では即断即決が求められます。
それを支援するツールは動作が速ければ速いほど有利です。
その点、MT5はMT4と比較してかなり有利と言えます。
裁量トレードに必要なツールが充実
MT5ではMT4よりも裁量トレードに使えるツールが幅広く用意されています。
時間足
裁量トレードで一番参考とするのは時間足です。
時間足が多ければ、より正確な判断に繋がります。
MT4と比較して格段に多い時間足は大きなメリットになります。
描写ツール
裁量トレードで時間足などを比較する場合に便利なものが傾斜角などを比較したり、重要なポイントを強調したりできる描画ツールです。
MT4と比較してMT5は描画ツールの数が多いことも裁量トレードにおいて使いやすいことのメリットと言えます。
気配値
気配値は買い方および売り方が、買いたい又は売りたいと希望する値段のことです。
MT4やMT5では通貨ペアで売買の気配値を表示します。
MT5では気配値の表示の種類が増えて、詳細を確認できるようになったり、簡単に発注できるような機能が追加されました。
ナビゲーターウィンドウ
裁量トレードで素早い決断のためにはナビゲーターウィンドウの使いやすさも大切です。
T4と比較してMT5のナビゲーターウィンドウは整理されて使いやすくなっています。
MT5の”デメリット”・悪い部分
MT5のメリットは動作スピードが速いことですが、それは最近のPCの性能向上によって多くのメモリーを同時に使用できるからです。
PCのスペックが低ければ、逆にメモリーの大量消費によって動作が遅くなってしまいます。
MT5の使用にあたってはPCのスペックを確認することも大切です。
MT4との互換性がない
MT4とMT5はプログラミング言語が違います。
これによって、MT4の豊富なEAやカスタムインジケーターをMT5用に変換して使用することはできません。
システムトレーディングのためにツールを使用している人は現状ではMT5に乗り換えるのはハードルが高いでしょう。
利用者が少ないことから情報も少ない
MT5はツールとしてのスペックは高いのですが、ユーザーの評価が聞こえて来ません。
高スペックを発揮するためには高スペックのPCが必要ですが、条件のそろわないユーザーからハングアップし易いといった評価もあります。
MT4に慣れたユーザーからは使いづらいといった意見や、頻繁にバージョンアップはされていますがバグに巡り会ってしまった人もいるようです。
今ひとつ良い評価が前面に出てこないことから利用者が少なく、まだまだ情報が少ないと言えます。
まとめ
MT4のサポートが終了し、開発したMetaQuotesSoftware社が推奨していることから今後はMT5が主流となる日が必ず来るハズです。
しかし、MT5は対応業者がまだまだ少なく、多くのEAやカスタムインジケータが使えるMT4も捨てがたいものがあります。
使用目的やトレーディングスタイルに合わせたツールを選ぶのが良いでしょう。