海外FXの基礎

【FXの約定力とは】勝率を上げるすべりにくいFX会社の特徴とは?

約定力が強ければ滑らない?

FXは、トレーダー自身の知識や経験もさることながら、FX会社の設備やサポート体制の充実度も利益を上げるために見逃せない要素です。

その1つが「約定」です。
読み方は、「やくじょう」。「やくてい」はよくある読み間違いです。
読み方を正しく覚えて、意味もしっかり理解して、勝率を上げていきましょう。

FX用語の『約定力』とは?

「約定力」は、取引を行うFX会社を選ぶときにも必ずチェックしたいポイント。
初心者でも覚えておきたい用語です。

そもそも「約定」とは?

「約定」は、一般的なシーンで使うことは少ない言葉。
投資などの取引で多く使われます。

FXで使われるときは、通貨の売買が成立することをいいます

「約定」には、関連する言葉が多いので、それらもまとめて覚えて、頼りになるFX会社選びに役立てましょう。

「約定力」とは?

「約定」に「力」がついて、「やくじょうりょく」。
売買が成立するチカラ、とは一体何でしょうか?

約定力とは、トレーダーが注文したタイミングで取引を成立させる力を指します

FXは、24時間世界中で常に取引が行われています。そのため通貨の価格は、刻々と変化しています。

トレーダーは、その価格を見ながら取引を実行するわけですが、”ここ”というタイミングで出した注文が、その通りに「約定」するかどうかが重要です。自分の決めたタイミングでないと約定できない場合、損をしてしまう可能性もあるからです。

「約定率」とは?

約定率は、約定力をわかりやすく数字で表したもの
トレーダーの注文がその通りに成立した確率を表す言葉です。

この約定率は、FX会社ごとに違うもの。
FX会社によって、約定力が高い会社、低い会社があります。
また、ほとんどのFX会社が公式サイトのトップページに自社の約定率を掲載しています。
約定率の高さは、FX会社にとってもウリになっているからです。

スリッページ(すべり)とは?【FX用語】

約定にまつわるFX用語には、「スリッページ」あるいは「すべり」という言葉もあります。
これらは、約定が遅れることで発生する現象を表す言葉。
自分が注文した売買価格とは違った価格で取引が成立することを表します。

スリッページは、自分にとって不利な価格になる場合も、逆にラッキーな場合もあります。
とはいえ、投資を行うのに運にばかり頼るのはキケンなので、約定力が高い会社を選ぶに越したことはありません。

スリッページが起こる要因

スリッページは、なぜ起こるのでしょうか?
それは約定力が弱いということ。

原因は、さまざまあります。

①流動性が低い通貨ペア

FXの取引は、売る人と買う人がいることで成立します。
そのため人気の通貨は、常に売買関係が成立しますが、取引量の少ない通貨では売買がなかなか成立しない場合があります

そうなると、取引成立まで時間がかかり、希望した価格で売買が成立しないことも多々あるのです。

②取引が少ない時間帯は滑りやすい

人気の通貨でも取引量自体が落ちれば、スリッページすることがあります
例えばニューヨーク市場が閉まり、日本の市場がまだ開いていない、早朝6時~8時くらいまでの時間帯。
この間は、取引量が減ることで取引自体が成立しづらくなり、タイムラグが起こってスリッページすることがあります。

取引量が少ない時間帯もまた、要注意です。

③暴騰・暴落すると滑りやすい

通貨の価格が急変すると、スリッページしやすくなります

どのくらいの急変かというと、暴騰・暴落という言葉が当てはまるようなケースです。
政治情勢の変化や天災が起きたときなどが考えられます。

④経済指標時・政治的な問題が起こった時

また、暴騰・暴落とまではいかなくても、例えば注目度の高い経済指標が発表された後など、投資家を刺激する情報があると注文が大量に発生したり、大口の注文が殺到したりします。

こうなると、価格の変動に対応できず、スリッページが起こりやすくなります。

約定力の注意点

公表されている約定力ですが、鵜呑みにするのはキケンです。
参考にしつつ、警戒心も忘れないようにしたいものです。

約定力は取引を保証するものではない

海外FX会社は、多くの場合自社の公式サイトで約定率を公開しています。
ここはぜひ、口座を開設する前に必ず確認したいポイント。

とはいえ、その確率は99.98%と謳っていても、それはあくまでも過去のデータであることを忘れないようにしてください。
どんなに高い数値が書かれていたとしても、その数字が現在の取引を保証してくれるものではありません。

通貨ペア・取引する時間帯によって約定力は異なる

前述した通り、約定力は通貨ペアや取引する時間帯でも異なります。

人気の高い通貨ペアは、常に取引が成立しますが、取引量が少ない通貨ペアでは、取引が約定するのに時間がかかる場合があります。
こうなると約定が遅れてスリッページが起こります。

また、24時間常にどこかの市場が動いているとはいえ、動きが鈍る時間帯というのは存在します
ニューヨーク市場が閉まり、日本の市場が開いていない早朝6時から8時くらいまでの時間帯。

約定力は、時間帯にも気をつける必要があります。

約定力が高いFX会社の選び方

狙い通りに取引するには、約定力が高いFX会社を選ぶことが大切です。
では、FX会社の約定力の高さは、どうすれば確認できるでしょうか?

会社が公開している約定力を見る

約定力は、各FX会社が公式サイトに掲載しているので、まずはそこを確認します。
「盛ってる?」という疑いを持つ人もいるかもしれませんが、最近の口コミなどのパワーは、侮れないものです。
大きくかけ離れた数字が掲載されることはないと考えられます。

では、そういったデータを公表していないところはどうすればいいのでしょうか?

デモ口座を利用して、実際の動きを確認するのがおすすめです。
とはいえ、デモ口座は似て非なる環境なので、本当の口座よりは環境の充実度は落ちるかもしれません
そのあたりを差し引いて、検討要素に加えてみましょう。

提携先・カバー先金融機関が多いかを確認

FX会社が利益を得る手段の一つが手数料です。
しかし最近は、多くのFX会社が手数料を安く抑えています。
そのため企業として、なるべく損失を出さないようにする必要もあります(ただしNDD方式採用の証券会社のみ)。

そこで重要なのはカバー取引です。

カバー取引とは

カバー取引は、FX会社がトレーダーから入った注文と同じ取引量を銀行や証券会社に対して行うこと。

例えば、顧客から1ドル100円のときに10万ドルの買い注文が入ったら、同じ10万ドルの買い注文を提携先の銀行や証券会社に行うのです。

つまり多くの提携先がいることで、為替変動の影響を直接受ける可能性が減って、大きなリスクを避けることができます

カバー先・提携先が多ければ多いほど信頼性が高い

多くの場合、FX会社から銀行や証券会社へ出した注文が約定しないと、トレーダーからFX会社への注文の約定が難しくなります。

とはいえ、トレーダーから購入と売却の注文が同時に入って相殺されることもあるので、必ずカバー取引が行われているわけではありません。

また、すべての注文に対してどの程度の割合でカバー取引を行っているかは、FX会社によっても違うので、必ずしも約定の条件となっているわけではありません。

それでもトレーダーからの多くの注文がカバー取引の約定を待って、約定するようになっています。

そのためカバー先・提携先の多さは、FX会社を選ぶ一つの目安ともなります。
カバー先が健全な銀行や証券会社であることや、多くの取引を積極的にカバーしているFX会社は、信頼性も高いといえそうです。

サーバーがどこに設置されているか確認

海外FXは、ネット環境があってこその投資。
サーバーがどこにあるか、また、そのスペックも約定の速さに影響があります

約定には、できるだけ早いレスポンスが必要なので、物理的に近くにあるFX会社がおすすめです。
やっぱり日本国内から取引を行うならサーバーも国内にあるのがベスト。
とはいえ、必ず公表されている情報ではないので、どうしても確認したい場合は問い合わせるしかありません。

サーバーのスペックが分からない場合は?

サーバーのスペックも、公表されていたとしても誰もがわかるものではないので、判断は難しいですが、約定に時間がかかると体感することが重なったら、問題があるかもしれません

サーバーの問題かな?と感じることがあったら、そのストレス度とその他の条件を合わせて考えて、長く利用するFX会社かどうかを考えることをおすすめします。

FX会社がスキャルピングを推しているかどうかも確認

FX会社の公式サイトには、そこがウリのポイントが書かれています。
約定力が高いことを謳っているFX会社なら、スキャルピングを押しているはず

スキャルピングとは、短時間の間に何度も取引を行うスタイルのこと。
数秒から数分で次々と注文を出していきます。
1度の利益は少ないですが、小さな利益を重ねることで大きな利益を得る投資スタイルです。

約定力がモノを言います。
ですから、FX会社がスキャルピングを推しているということは、約定力に自信あり、ということ。
FX会社の姿勢をチェックすることで、そのサポート力がわかります。

まとめ

海外FXは、トレーダー自身が決めたタイミングで注文し、その価格で売買を行いたいもの。
でも、世界中で常に取引が行われている為替レートは刻々と変化し続けているため、狙い通りの価格で売買が成立しないこともあります。

できるだけタイミングよく取引が成立する、約定力の高いX会社を選んで、狙い通りの利益を上げていきたいものです。